うつやひきこもり、生きづらさを抱える方を対象とした地域活動支援センターは、
横浜では café だけであり全国的に見ても珍しいと聞きます。
そんな形で 2011 年の 3 月に開所し、
10 年を迎えることができました。
これも暖かいご理解・ご支援あってのことと深く感謝しています。
そして café で過ごす café の皆さんが
ここを一緒に育てて下さったと感じており、
そう思える出会いがあったことに
嬉しさと深い感謝を感じています。
私たちにとっての 10 年は、
沢山の方に出会い、考え、悩み、苦しみもある
そんな日々の積み重ねでした。
1つの節目としての 10 年ではありますが、
これはこれからも続い ていくものと思っています。
今 café には 50 数名の方が登録されていらっしゃいます。
それぞれの困り感や生きづらさを抱えながら、
その方のペースで通われています。
café の皆さんの生きづらさは、
例えば明確だったりまた漠然としたうまくいかなさであったり、
人と同じようにできない感覚、
人といる事への不安や緊張・落ち着かなさ、
そこにいてはいけないような感覚、自信のもてなさ、
そういうものだったのかと思います。
それを抱えながら何とか適応しようともがき、頑張り、
そして疲れ果て、ちゃんとできない自分を責めたり。
そこには大きな痛みや傷つきも
たくさん抱えていらっしゃったと感じています。
つながる café で何ができるのか。
最初は行く場所・行ける場所になっていく事かもしれません。
行く場がないということは
環境が作るまた深い孤独や怖さであり、
まずは行く場があるということ。
でも行く・いるということはまたとても難しい。
café にきても、怖さ・不安・緊張・落ち着かなさは続きます。
café の場は、それを、そういう想いのままいるこを知り、
それを柔らかく受け止めあっているのではないかと感じます。
そしてプログラムを通してだったり、
場にいることや人との関わりを通して感じることが共有されたり、
理解されたり、
誰かの呼応があったり。
これまでと違う体験や、そういう時間が丁寧になされる中で、
痛みや不安・怖さに包まれ見えなかった自分の思いに気づいていく。
自分が知っていく。
そしてゆっくりと、どんな風に歩いていたいのか、
それをその方自身が見つけていく。
つながる café はそんな場でありたいと思っています。
昨年 10 月より就労事業の試みも始めました。
café にとって働く事と向き合うことは
大きなチャレンジでもありましたが、
数年程前から皆で就労支援機関を見学に行くようになりました。
色々な施設を見学する中で、
café に通う方にとって働く事のハードルは、スキルアップや訓練ではなく、
『ちゃんとやらねばいけない』
と自分自身に課す厳しさや怖さにあると感じました。
café の就労事業は、働く場を自分たちで作り上げていくという、
これもまた他にはない試みを行 っています。
その時間を通して、
働くという役割や責任を持つ環境の中で、
頑張りすぎる自分、役に立たねば、ちゃんとやらねばと自分に課す厳しさ、
そういった事に気づき、感じ、
それを皆で一緒に受け止め合っていく、
そんな場でありたいと思っています。
café でできることがある間はその役割を果たすことができるよう、
自分の歩き方を見つけ、café を経て外にでていく方には
いつでも帰れる場・見守っている場であり続けられるよう、
これからもいくつもの出会いを得て、考え、悩み、
そして沢山の想いを共有し、
日々を積み重ねていきたいと思っています。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
つながるcafé 施設長
高橋葉子
特定非営利活動法人
つながる会
地域活動支援センター
つながるcafé
〒232-0056
神奈川県横浜市南区通町4-94
メール:smile@tsunagarukai.com
電話:045-334-8546