1年前の自分へ
いま、13時。目が覚めた頃でしょうか。休職してちょうど1か月。きっとほとんどの時間を布団で過ごしていますよね。主治医に復職したいといっても「まだ早いんじゃない?…っていうかもう契約期間終わるんでしょ? そのまま退職しちゃいなよ」と言われていたあの頃ですよね。未来が見えず、他人に頼ることも出来ず、日々何もできず横になって時間を過ぎるのを待つだけ。一番つらい時期だと思います。
しかし季節が進んだ5月、肩書が会社員から無職になったころ、ある場所に巡り合えます。近くに手軽に行ける喫茶店などがないかなと検索をかけた時、ふと「つながるcafé」という場所があることを知ります。連絡を取るか悩みに悩んで、電話を掛けるものの声が出ず、無言電話で切ってしまうという大人として最悪なことをしでかします。でも、あきらめられなかった私はメールで連絡をします。そして見学、体験を経て、正式に通所が始まります。
最初は不安感からプログラムに参加できない日も多いかと思います。特に自分の言葉を発することが怖くて、話し合い系のプログラムに出られないと思います。でも、なにが苦手でどうやったら参加できるか、次第にわかっていきます。一人でやっていた音楽はたくさんの人とアンサンブルをします。子どもの時から嫌いだった絵を描くことは自分の書いた絵を壁に貼るようになります。いま、とても楽しいです。
そして、月1回の面談では過去の重い暗い出来事や家族のことなど一人で抱えてきたことを言葉にできるようになります。たくさん泣きます。でも、大丈夫です。一緒に悩んでくれる人がそこにいます。安心して言葉に変えてください。その言葉が次へとつながります。無理だと思っていた障害者手帳を取得します。区役所で申請したときヘルパー利用を考えているという言葉を発したことで、ヘルパーさんが家に入って手伝ってくれます。苦手だった片づけを手伝ってもらえることですごく生活が楽になります。
2024年に入ってからは次のステップに向けて色々動きだします。最近は何をどうするかとても悩んでいます。でも、色々な人と話すことが多いですが、自分の思っていること、できないことを言葉で言えるようになっていることにとても驚きます。あんなに人に自分のことを言うことが苦手だったのに、いろいろ言えるようになっています。想像もつかないですよね。でもできるようになっています。前より人を頼ることができるようになっています。
これからの1年は、たくさんのいい人、安心できる場所に出会えます。
この1年、ゆっくりしたペースで、自分と向き合えます。何もしていないですが、とても大事な1年を過せます。だいじょうぶ。
H
食べる喜び
ある時期から、心の不安からの吐き気が続き、
『食べる』ということ自体が辛くなり、それが何年も何年も続いた。
つながるcaféとの出会いで、自分と同じように悩み苦しんでいる仲間と出会うことができたが、
ずっと心に大きな穴が空いていて、苦しみに震えていた。
少しずつ無理をすることをやめて、
『できないことはできない』
と自分を認め、困ったとき、悩んだときに、
「助けて」
と、人に助けを求めることができるようになった。
そして、自分の身体や心の声を聞いて、自分が
自分の見方になってあげられるようになった。
それによって、
疲れたら休む。
嫌な人からは離れる。
無理なときは断る。
毎日、自分に
「今日もがんばって生きた」
と、声を掛けられるようになった。
そうやって、ありのままの自分を認めることによって吐き気が落ち着き、食欲が出るようになった。
明日、何が起こるか分からないからこそ、おいしいものを食べて、今日をめいっぱい楽しく生きようと思えるようになった。
今は、食べたいものを美味しく食べられることの幸せを感じている。
『食べることは生きる源』だと、心から思う。
AKANE
「生きている」「時間」
「生きている」存在すべてに平等に流れるもの…。
「時間」は、とても不思議だなあと思う。
私は「歴史」が好きで、古い神社仏閣を訪れて、当時に想いをはせることがある。そんな時は、自分の心はその時代に飛んでいて、その当時の人々は、何を想ってどんな暮らしをしていたのだろうとか、想像が膨らむ。
私も気づけばいい歳になった。自分の人生に想いをはせると、それもまた、色々な感慨が生まれる。
全体的に、年を経るごとに時の流れが早く感じるのは不思議だなあと思う。今でも、何かに夢中になっている時は時の流れが早く、退屈していると時は遅く感じるのも不思議に思う。
そのように考えていると、「時間」もまるで「生きている」のかなと感じることも…。そして、そんな時間をどのように過ごすのか⁈ それが、人生の「味わい」
だったりするのかなと思う。
幸いにして今私は、自分の生活をかなり自由に「アレンジ」できる。これは、とても幸せなことだと感じる。そのおかげで、昔なら目に留まらなかった、季節の移ろいや街並みを、愉しめる「心」を持てた。周りはせわしなくあっても、私の中を流れる時間はどこかのんびりしているようだ。心が「ざわついた」時も、なんとかやりすごせるようになってきた。
「時間」を大きな河の流れに例えると、今の私は、その大きな流れにフワッと身をゆだねている。私がしていることは、大きな流れの中のどこを「選ぶ」かだけで、基本もう、あまり無理をしない。自分を整えることの大切さを知ったから。
「時間」は流れていく。それは私をどこに連れていくのか。どこへ流れ着くのか。分からない。
だから、「どうなる」かよりも、この流れている時間を、「今」を、「過程」を、味わい深いものにしていきたい。
fumi
希望
caféに通うようになってから、
あっという間に月日が過ぎていきました。
週に1~2回、午前中のみから始めて、
皆さんに挨拶をしたり、
プログラムに参加したりしながら、少しずつ
過ごす時間を増やしていきました。
「caféへは何をしに来ているの?」
と、聞かれると、
「ごはんを食べに通っています」
と、答えていました。
何かあると、すぐ、緊張で手が震えて、
呼吸の仕方がわからなくなったり、
食事や睡眠がとれなくなったり、
不健康生活が長く続いておりましたが、
人と一緒に居ることに、
安心感をもつことができるようになってきました。
物心ついたときから、
自分の意見が言えないというか、
自分が無いという感じがして、
自分が信用できなくて、
この先、独りで生きていけるのか、
とても不安でした。
今でも歳をとるばかりで、
できないことが多すぎて、
焦り、もがき、負の無限ループから
抜け出すことができないのでは、と
落ち込むことがありますが、
caféでスタッフの方や
他の方たちと接することで、
自分のマイナス思考のクセに、
ちょっと気づくことができました。
最近は肩の力が抜けたのか、
生きているうちは、負の無限ループは
存在してもおかしくなくて、
そのなかで楽しいこと、
明るいことを見つけていけば、
自分の未来は明るく、
違うものになっていく気がしています。
ささやかな幸せをかみしめながら、
自分のペースで、
小さなことからコツコツと。
山本
〈編集後記〉
地域活動支援センターつながるcaféに集う4名の方が、自由なテーマで投稿してくださいました。
そして4名の方が、挿絵にパステル画、自由画、ぬりえを提供してくださいました。
読む方の心に、じんわりと何かが伝わりましたら幸いです。
ありがとうございました。
特定非営利活動法人
つながる会
地域活動支援センター
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